会場となった国際ファミリープラザの2階ファミリーホールには、米子市を中心に南は日南町、北は境港市、西は大山町から約130人が参加してくださいました。
岡村英治米子市議の司会で最初に主催者を代表して鷲見節夫西部地区委員長があいさつ。
野党提出の後期高齢者医療制度の廃止法案が参院で可決し、衆院にうつされるなかで、力をあわせて廃止にしていきたい
そのためにも、おおいに今日は後期高齢者医療制度についてみなさんと討論しましょうとあいさつしました。
そのあと、進行は錦織陽子県議をコーディネーターに、いよいよシンポジウムがはじまりました。
パネリストは、私のほか、坂根敏治さん(県保険医協会副理事長)、西山秀雄さん(後期高齢者医療広域連合事務局長)の3人でした。
錦織陽子県議が「さあ、4月からスタートした後期高齢者医療制度ですが、医師のみなさんからも『異議あり』『廃止・中止』をという声があがっていますが」と、まず坂根先生に発言をもとめました。
坂根先生は、パソコンをつかってビデオプロジェクターに発言のポイントを映し出し、理路整然としたお話をされました。
そのなかで、今回の後期高齢者医療制度の目的が将来75歳以上の死亡者が平成20年(2008年)の80万人からH52年(2040年)には140万人に激増し、脳血管症で死亡する人も2030年には2.5倍になるなどの予測の元に、病院から自宅での「みとり」に移すことが大きな目標になっていると指摘されました。
そして、青森県の医師会のアンケート調査を紹介し、脳血管症の患者さん412人に、最後はどこでの治療を希望するかという質問に、75%の患者さんが医療施設とこたえ、「自宅で」と答えた人がわずかに8%だったこと、94人の方が自宅での「みとり」に不安をもっているといわれました。
そして、いまでも高すぎる保険料が払えず、75歳以上の保険料滞納者が10人に1人いるなかで、今回の後期高齢者医療制度によって「うばすて山完成」だと厳しく指摘されました。
担当医制の問題では、フリーアクセスが阻害され、これまできずいてきた国民皆保険制度でWHOのさまざまな指標で堂々1位の日本で医療崩壊をおきると警告され、医療費の総枠の拡大こそが重要だと発言されました。
財源については、国の負担をふやす必要を強調し、国民には応能負担主義が必要であり、企業への税負担を90年代にもどすこと、道路財源の削減などをあげられました。
坂根先生の発言が終わると、コーディネーターの錦織県議が
「ありがとうございました。さて、この制度はスタート前からの不安、そしてスタートしてからも市町村窓口ではますます混乱という印象を私どもはうけるのですが」と次の発言者、広域連合事務局長の西山さんに発言を求めました。
西山さんは、冒頭に被保険者のみなさんに保険証が一部届かなかった問題や特別徴収(天引き)でのミスから、本来徴収すべきでなかったからもず徴収してしまったことへのお詫びをされました。
そして、今回の後期高齢者医療制度の導入までの経過を説明され、突然という印象にたいして、平成9年(1997年)に政府与党での論議を経て、平成12年(2000年)11月の窓口負担1割負担導入など健康保険法「改正」のさい、高齢者医療制度の創設の付帯決議がされたこと
平成14年(2002年)には老人医療の対象を70歳から75歳に段階的に引き上げる「改正」を決めたこと、さらに平成15年(2003年)の閣議決定、平成17年(2005年)の医療制度改革大綱、平成18年(2006年)の医療制度「改革」法成立
そして平成20年(2008年)4月からの後期高齢者医療制度のスタートとなったとして、10年以上もかけて、老人のみなさんの医療はどうあるかを国会でも、審議会でも議論してきたことへの理解を求めました。
そして、後期高齢者医療制度を運営する広域連合の概要をはなされ、格差が広がることのないように、財政上、県内統一の組織ができあがったことをはなされました。
制度の仕組みについては、保険料の半分を国と自治体が負担し、残り半分のうち4割を若い人が、そして残り1割を75歳以上のかたの負担とすることになったと説明。
これまでどおり支えあっていこうという仕組みだと説明されました。
さらに、調整交付金という制度があり、財政困難な地域には多めにくることから、鳥取県では幸いに10%ではなく8.85%程度に負担がおさまっていると説明されました。
保険料負担については、高額医療について、半分を国と県が負担することや、低所得者の保険料軽減制度として7割、5割、2割の減免制度があること
今年度の保険料は6.3%ぐらいになっていることを紹介し、とにかくみんなで支えあい、制度はじまったばかりだが、よい制度になるように努力していくし、みなさんのご理解をと発言されました。
西山局長の発言が終わると
錦織県議が「ありがとうございました。さて、岩永さん。日本共産党は2年前、この後期高齢者医療制度が国会に出たときから、反対を主張していたわけですが、4野党がそろって提出した廃止法案が参院可決されましたね。ではよろしくお願いします」と私に発言を求めました。
私は、次のような発言をおこないました。
シンポジウムにご参加のみなさん。ごくろうさまです。
党県委員会の書記長をしております岩永尚之でございます。
どうぞ、よろしくお願いします。
私のほうからは、後期高齢者医療制度についての日本共産党の考えを、5月8日に発表しました「アピール」。
みなさんのお手元にあると思います。
「高齢者差別の医療制度は廃止しかない」「撤廃の一点での国民的共同をよびかけます」を中心に日本共産党の考えをお話させていただきたいと思います。
まず、今回の後期高齢者医療制度にたいしては、福田首相が「長寿医療制度」とスタート時にいいかえましたが、高齢者のみなさんを中心に歓迎どころか、「だれがこんなことを決めた」「こんなひどい年寄りいじめがあるか」という怒りの声が全国各地であがっています。
最近では、自民党の中からも中曽根康弘元首相。
(パネルを示して)
塩川正十郎さん、元財務大臣ですね。あるいは元自民党の総務会長をしていた堀内光雄さんからも、一度廃止して一からでなおせという声があがっています。
こうした、怒りの声が大きな世論となり、参院では野党提出の廃止法案が本会議で可決されました。
法案は衆院にうつるわけですが、わたしたちは、今国会での成立のため全力をつくす決意です。
それで、みなさんが、なぜ怒っているのか。アピールでいう「第一の理由」ですが、なんで75歳なのか。75歳になるとこれまで入っていた国保や健保から追い出されて、別な保険にうつされるのかということです。
75歳という年齢での線引きに猛烈に怒りの声をあげています。
政府は3つのことを理由にあげています。
(パネル)
第一に、75歳以上は病気が多い。
第二に、認知症状が多い。
第三に、いずれさけることのできない死を迎えるから。
3つも理由をあげていますが、ようするに、75歳以上はどうせ死ぬんだから、お金をかけたくないということだと思います。
だから、「早く死ねということか」と怒っておられるんです。
関西では「早よ死ね保険」といわれているそうです。(笑い)
ほかにも「後期高齢者撲滅制度」だといった人もありました。
(パネル)
医療費削減だといいましたが、この表は政府の計画をグラフにしたものですが、2015年には医療費の総額が40兆円になる。
こうち5兆円削減するために高齢者のところで医療費を2兆円削減する。
2025年には医療費全体が56兆円になる。8兆円削減するため、そのうち5兆円を高齢者医療費で削減するというものです。
世界のどこにも、医療費を削減するためにこんな制度をつくった国はありません。
ご家庭とおんなじだと思います。
おじいちゃん、おばあちゃんが病気になったら、生活が大変でも、子どもだったら、遊ぶためのお金をへらすとか、お父さんだったら散髪にいく回数を減らして、おじいちゃん、おばあちゃんの医者代をつくろ。
まさに、これまで日本で築いてきた敬老のこころを踏みにじる、人の道にはずれたやりかただといわざるをえません。
あまりに、みなさんが怒りの声をあげたためか、政府は、いやこれまでと同じだといいますが、実際はどうでしょう。
第二の理由になりますが、制度そのものに大きな問題があります。
その第一が、保険料です。
政府はさかんに7割は保険料が下がったといっていますが、ところが、ここに日本海新聞、そして朝日新聞も書いていますが、低所得者の負担が増えたとして、政府の主張をくつがえす結果と報道しています。
さらに、政府の調査したモデルは、資産がない世帯も資産があることを前提にしていたり、負担増になりやすい世帯構成を除外しているなど意図的なものでした。
一方で、これは全日本民医連の調査ですが、全国4645人から無差別にピックアップした調査をしたら42%が「高くなった」とこたえ、「軽くなった」というのは7%しかなかったとなっています。
(パネル)
同時に、これは小池晃参議院議員が政府のデータをもとにつくったグラフですが、スタート時でさえこれなのに、高齢者人口がふえるにしたがって二年後との見直しで保険料はどんどんあがる仕組みになっています。
(ここで、10分になりました。そろそろまとめてくださいのメモ)
あ、もう時間がきました。
あとは簡単にしまいます。
つぎに、制度の問題です。
差別医療の中身については、くわしくはアピールをみていただきたいと思いますが
健康診断は対象義務からはずされる。
外来では、1ヶ月保険がつかえる医療は6000円までという仕組みが導入される。
入院では、退院支援計画書とか在宅死、延命治療しないと診療報酬がふえるなどの仕組みとなっています。
これまでと同じどころか、まさに人の命を年齢で差別する人の道にはずれたやりかただといわざるをえません。
後期高齢者医療制度に反対する3番目の理由は、後期高齢者への攻撃だけではないということです。
さきほどのグラフにあったとおり、照準にあてているのは団塊の世代が後期高齢者になる2025年の5兆円削減です。
そして、将来だけでなく、すでに健康保険組合は5000億円の負担増だといっていますし、派遣労働者の少ない賃金にも社会保険料部分の負担増がはじまったと先日の参院での井上哲士さんの質問でもとりあげられていました。
最後に、どこからみても道理のない後期高齢者医療制度は廃止以外にないということです。
政府は、保険料の軽減や年金天引きの中止などの見直しをいいはじめていますが、制度の骨格は残すというものです。
しかし、75歳という年齢で医療を差別する考えそのものがまちがっているわけですから、小手先の見直しでなおるものではありません。もう廃止以外にありません。
そのうえで、日本共産党は、ただ元にもどすだけでなく、どうしたら安心な医療制度、持続可能な医療制度がつくれるか国民みなさんと議論していこうという提案をしているところです。
たとえば財源については、政府与党などがどうしても手をつけようとしない軍事費といきすぎた大企業減税にメスをいれれば、財源はできると提案しています。
時間になりましたので、ここで最初の発言を終わります。
長くなりました。
熱気むんむんのシンポジウムがさらにつづきます。
この続きの紹介は、次回に回したいと思います。






