朝7時すぎに鳥取を出て、米子に向かう途中のラジオから鳥取地区、八頭地区で豪雨・洪水警報が出たと何度もニュース速報が流れました。
朝家をでる前にみた新聞一面があまりにも衝撃的だったので、大雨被害を心配しながらラジオを聴いていました。
一昨日の神戸市を流れる都賀川での惨事です。
午後2時20分ごろから雨がふりはじめ、午後2時35分から同3時35分の1時間で32ミリの雨を記録。
その午後2時40分から10分間で1.3メートルも水位が上昇。
川遊びをしていた児童らが濁流にのみこまれ、子ども3人をふくむ計4人が死亡しました。
午後2時15分の増水前の川と午後2時50分の増水した川の2枚の写真をみて、背筋が凍る想いがしました。
新聞によると、六甲山の南側には25本の川が流れているそうですが、「そのいずれもが傾斜が急で、川幅が狭く、ほかの川や水路が合流するため短時間で水かさが増し、流れが速い」とありました。
そして、「2級河川の都賀川には、急な増水など危険を知らせるサイレンや警報機は設置されていなかった」。
「これほど水位が急上昇したのは近年にない。想定外の増水だった」とも。
「想定外のこと」。
最近、よく聞かれるように思えてなりません。
たしかにそうなのかもしれません。
しかし、ついいましがたまで、笑い声をあげて、川遊びにはしゃいでいた無邪気な子どもたちが一瞬にして濁流にのまれる。
「想定外のこと」では、あまりにも、むなしいといわざるをえません。
30年くらい前になりますが、大学の授業で富山和子さんの本「水と緑と土」をテキストに日本の川についての講義を思い出しました。
日本の川は、ヨーロッパの人から見ると「滝」だという話です。
ライン川やドナウ川、イギリスのテムズ川など、思い浮かべていただくとよくわかると思いますが、緑の平野をゆるゆると流れているのがこれらの川の特徴です。
これにくらべて、日本の川はどうでしょう。
急峻な山が列島をまるで人間の背骨のように縦走し、そこから流れ出す日本の川は「滝」だというのです。
そうした日本の川の特徴をみないで、明治以降、西洋崇拝とも重なり西洋式河川工法を鵜呑みするように、とりいれたことの「あやまち」を富山教授は指摘したのです。
平野でたびたび増水するヨーロッパの河川。
そのために護岸を高く築きました。
それをとりいれたうえに、土木事業とむすびつき、無用なほどコンクリートやブロックで護岸を固め、まるで「水はやっかいもの」といわんばかりに、一刻も早く海に流れをおいだすようなやりかたがおこなわれてきました。
その一方で、日本伝統の工法はかろんじられ
たとえば、戦国武将の武田信玄の信玄堤(しんげんてい)です。
たびかさなる川の氾濫をいかに治めるか。
その工夫は、「早く流す」のではなく、「できるだけ、長くとめおき、流れを緩める」工夫です。
流れにたいして逆八の字の堤をつくることで、流れ込んだ水をいったんうけとめ、それをまた川に流す。
そのことで、「流れをじょじょに緩める」のです。
そして、一部をたくみにとりこみ農業用水としても活用する。
「名将」といわれる所以のひとつです。
富山教授は、日本の川は「いまやツメのあるカニものぼれない溝」になったとも指摘しています。
神戸の都賀川について「同川は、浸食などを防ぐため3面がコンクリート護岸でできており、水の勢いが強まった可能性がある」(朝日新聞)とありました。
最近の気候は異常続きです。
連日の30度を越す高温。
39度を記録したところもありました。
これまで「想定外」のことも「想定内」のことになる可能性も大いに予想されます。
この事故を教訓に都賀川のような該当箇所を全国的に総点検することが必要です。
そうでないと、この子たちの尊い命が生かされないと思いました。






