松本光寿弁護士のあいさつにつづき、伊藤昭二さん(治安維持法国賠同盟鳥取県本部会長)が「戦前、鳥取県での言論弾圧と治安維持法体制」と題してお話をされ、つづいて、「見ざる、聞かざる、言わざるはお断り―言論弾圧は戦争をする国づくりの始まり」と題して、荒川庸生さん(あらかわ・ようせい、真宗大谷派・長栄寺住職)がお話しました。
荒川庸生さんは、「葛飾ビラ配布弾圧事件」の被告で、一審の東京地裁は無罪の判決が出たにもかかわらず、検察控訴で、東京高裁は有罪判決。いま最高裁で無罪判決を求めて闘っている、真宗大谷派のお寺の住職さんです。

「葛飾ビラ配布弾圧事件 無罪判決要請署名」は、事件の概要などについて次のように紹介しています。
「荒川さんは2004年12月23日の午後2時過ぎ、オートロックのない分譲マンションのドアポストに丁寧にビラを配布していました。配布したのは、日本共産党の葛飾区議団だより、東京都議団ニュース、葛飾区民を対象とした区民アンケートと返信用封筒の4種類のビラでした。これらのビラは、区民と区政を結ぶ大切なパイプとして歓迎され、区民生活の改善に役立てられています。」
「一審の東京地裁は、ドアポストへの投函を刑事処罰の対象と見るような社会通念は確立していない。立ち入り行為は正当な理由があり、住居侵入罪は成立しないと無罪判決を行いました。」
「ところが東京高裁は『憲法21条1項が保障する表現の自由は、民主的過程の維持等のために必要か欠くべからざる基本的人権であり、最大限保障されることが憲法上要請されている』としながら、その『制限を是認する』として誤った憲法判断を行ったうえで、事実関係には全く無関心に、悪意を持って罰金5万円の逆転有罪としたのです。」
「最高裁判所は『憲法の番人』といわれています。貴第二小法廷が、最高裁としての任務を果たすためにも慎重で公正な審理を行い、再び無罪判決をされるよう要請します。」
荒川さんは、以上の内容にそって約1時間、静かに話されました。
「『落とし穴』に、たまたま、私が落っこちたのですが、共産党のビラを配っていたら、だれでもそうなった事件です」といわれました。そして、逮捕され警察に連行されていくさいに、「これは、治安維持法ではないか。まだ、こんな法律が残っていたのか」と錯覚したほどだったとも話されました。
まさに、「日本国憲法が保障する自由と民主主義、それに支えられた私たちの暮らしに対する権力側の悪辣な攻撃」(憲法研究者の小沢隆一さん・「ビラ配布の自由を守る会ニュース」)であり、激しい怒りをおぼえました。
また、荒川さんの話で感動したことに、浄土真宗・大谷派の「不戦決議」とそれにもとづく教団や宗教者のたたかいがありました。
「不戦決議」は、戦前、教団が戦争に協力したことに対する深い反省にたって、戦後50年にあたり宗会で決議したものです。
そして、この「不戦決議」にもとづいて、先日「しんぶん赤旗」でも紹介されたのが、「真宗大谷派9条の会」結成です。宗派としての「9条の会」はこれが全国ではじめてとのことです。
「この不戦決議」のなかに出てくる「かつて安穏なる世を願い、四海同朋への慈しみを説いたために、非国民とされ、宗門からさえ見捨てられた人々に対し、・・・」というくだりがあります。
これは、赤旗でも紹介された、教団の方針にそむいて、浄土真宗の教えにたって、反戦をつらぬいた僧侶をさすと思いますが、荒川さんが読み上げる中で、日本共産党の先輩たちの姿とも重なり、深い感動をおぼえました。
その「不戦の決議」を紹介します。










